(前回のあらすじ)1993年(平成5年、33期)、新歓活動は大成功を収めそのままの勢いで新たなイベントを打ち立てていった。第1回OSCA運動会では、各大学合唱団が集い一大イベントとしてその後も続けられる。第33回定期演奏会では、12年ぶりとなる大々的な企画ステージを行う。この年以降、定期演奏会で企画ステージを行うことが恒例となっていく。

ロータスとインターネット
第13回は、少し寄り道してロータスとインターネットの歴史についてまとめています。
ホームページの原点
1994年(平成6年、34期)、ロータスのホームページは、32期指揮者の山根が工学部の研究室に配属されたときに個人紹介ページに掲載した1枚のステージ写真から始まっている。ロータスのホームページはこのページが原点となる。
当時、スマートフォンはこの世に存在しておらず、大学生は携帯電話すら持っていなかった。ようやくポケットベルが普及し始めた時代だった。岡山大学では、電気・情報系の一部の研究室だけがインターネットに接続できる環境にあった。そんな状況だったので、ホームページは、外部からも見ることができることは知っているが、学内の理系の一部の知り合いだけしか見ていない位置づけのものだった。
※1994年 岡山大学教養部廃止、松本サリン事件、プレイステーション発売
Yahoo! JAPANより早かったロータスのホームページ
公開当時のホームページ(2002.1)
1995年(平成7年、35期)、33期部長斎藤の手によって早くもロータスのホームページが誕生した。斎藤は男臭いロータスのイメージで黒背景がカッコいいと思ってデザインした。今の白背景のさわやかなホームページを見ると隔世の感である。
当時、大学合唱団はもちろん世界中の合唱団を含めてもホームページを公開していた合唱団はほとんどないどころか、現在のメジャーなネットサービスも存在していなかった。
その年の11月にWindows95日本語版が発売され、ようやく日本でもダイヤルアップで自宅からインターネットに容易に接続することができるようになり、パソコンが爆発的に普及していった。その翌年(1996年)に、検索エンジンとしてメジャーになる”Yahoo! JAPAN”のサービスが開始され、5年後(2000年)にようやくGoogleとAmazonが日本でサービスを開始している。ちなみに、当時の主流ブラウザはNetscapeだった。
※1995年 阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、Windows95発売
ホームページの強化
1996年(平成8年、36期)に、33期部長斎藤によって「ロータス30年史」から歴史を紐解き過去35年分のすべての定期演奏会と合同演奏会などの演奏データを掲載し、ロータスのホームページの骨格が完成した。こうして、ロータスの存在は人知れず世界中に発信されていったのである。
LOTUS広辞苑
団員の面白エピソードを拾って作った当時の人気コンテンツ「LOTUS広辞苑」(現在は、公開していない)は、真面目な情報から諸先輩方の逸話・武勇伝まで掲載していた。青春を謳歌するロータスメンの姿は内輪ウケに留まらず、卒業後に会社でイジられるネタとなった人もいたものである。
当時、ホームページを持つ上場企業すら少なかったのだが、ホームページを持っていてもトップページに会社の概要だけを明記しているだけという会社がほとんどだった。現在ほど閲覧数が多くなかったためホームページに力を入れている会社はほとんどなかった。そんな環境であったが、ロータスのホームページは、当初から群を抜いていた。ロータスのように充実したコンテンツを誇るホームページは、数が少なかった。
今となっては考えられないことであるが、その後数年経っても「ロータス」で検索すると「岡山大学男声合唱団コール・ロータス」がトップで表示されていたのだ。2番手がLotus 1-2-3(当時最もシェアが高かった表計算ソフトウェア)、3番手が自動車メーカーのロータスだった。数年間にわたりトップを維持していたのは、検索回数が少ないとはいえ、コンテンツの充実度で負けていなかったからだろう。
※1996年 羽生善治7冠達成、野茂英雄大リーグでノーヒットノーラン、在ペルー日本大使公邸占拠事件、たまごっち発売
ホームページの進化
2002年(平成14年、42期)にロータスのホームページは40期指揮者の西山によって拡張された。アクセスカウンターを新たに設置し、部室にあった落書帖「今日の出来事」をCGIで実装した「WEB版 今日の出来事」という名の掲示板を追加し、合宿やジョイントコンサート、定期演奏会の写真などを掲載するなど、部内外の交流の場となっていった。
黒背景で渋いデザインはそのまま踏襲していたが、新設されたアクセスカウンターは当時ジョイントコンサートで男声合唱組曲「富士山」を演奏したこともあり算用数字ではなくあえて漢数字「壹貳参肆伍陸柒捌玖零」を用いたことにより、アンダーグラウンド感がさらに強くなっていった。
※2002年 平壌で日朝首脳会談、完全学校週5日制のゆとり教育がスタート、日韓ワールドカップ
現在のホームページ(2024.6)
さらに、2016年(平成28年、56期)にサイトデザインを一新し、現在も公開しているホームページは白背景に変更された。威圧感を与えるのではなく表面だけでもさわやかな格好良さをアピールしている。
なお、2002年の拡張と2016年のデザイン一新はともに40期指揮者西山が行っているが、同一人物による作成でもコンセプトが大きく異なっており、ここでも時代の流れを感じる。
※2016年 熊本地震、SMAP解散騒動、18歳選挙権施行、「君の名は。」大ヒット
現在は、ホームページすら情報公開の一手段となっており、様々なアプリを通じて情報発信を続けいている。
Wikipedia
Wkipediaのロータスのページ(2024.6)
2010年(平成22年、50期)7月3日に開催される「岡山大学男声合唱団コール・ロータス 創立50周年記念演奏会」を見据えて、同年2月14日にOBの22期チーフマネージャー三宅によってWikipediaに「岡山大学男声合唱団コール・ロータス」のページが開設され、その後「五つのモノローグ」のページも開設されている。
※2010年 小惑星探査機「はやぶさ」地球に帰還、高速道路一部無料化、ノートルダム清心女子大学学寮廃止
OB会ホームページ
ロータスOB会のホームページ(旧ページ)(2012.5.15)
2007年6月にOBの31期部長の山下によって現在のホームページの母体となるページが完成し、2019年から現在のページ(wordperss)で運用している。OB会のホームページは、OB練習の連絡と演奏会のお知らせが主な目的であるが、その目的は今も変わっていない。
現在は、ホームページだけでなく、YouTube、X(旧twitter)、Facebook、Instagramでも発信を続けている。

※2007年 新潟県中越沖地震、新幹線N700系運行開始、初代iPhone発売、VOCALOID「初音ミク」発売
第14回「讃歌」に続く

